天使になろう
- 木村勉(ジョイチャペル牧師)

- 2 日前
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2025,11,30 ルカの福音書2章8~14節
今日からクリスマスを待ち望む期間、アドベントに入りました。日本語では待降節と言いますが、アドベントの方が浸透していますね。 アドベント第一週のメッセージをお届けいたします。
今日はまずルカ2章13-14節をお読みします。
すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現れて、神を賛美して言った。「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」
「多くの天の軍勢が現れて」とありますから、数えられないほどの天使たちが現れて、賛美の大合唱をした、と言うのです。 今日、お語りしたいのは、この「天使が現れて」と言うことなのです。
私たちは天使の存在を信じています。聖書には、たびたび主の使いが現れて、大切なことを語られたことが描かれています。今日の箇所もそうですが、クリスマスの出来事に関連して、何度も主の使いが現れて神の言葉を伝える、という内容が書かれています。
マタイ1,2章には、マリヤの夫ヨセフに3度も「主の使いが夢に現れて、言った」とあり、ルカ1章では、祭司ザカリヤに現れて語り、そののち、マリヤに現れて、受胎告知をするわけです。
こういったことから、神様は、重要なことを伝えるために、また、今日の聖書箇所にように、喜ばしいことを伝えるために、天使をお遣わしになるのです。
また、人を用いて、天使のような働きをさせることもあるのです。そういった意味では、みなさんも、ある時、天使になる、ということがあるのではないでしょうか。
私たちの周りには、天使じゃなくても、天使的な存在というのはいると思うのです。また、あなたが天使のような存在になれるかもしれません。
今日お話したいのは、私たちの日常生活の中に、神様が天使を遣わして働いてくださっている、ということなのです。
私が注目している、ある教会での出来事を紹介したいと思います。
その教会でも、私たちの教会と同じように、毎年クリスマスコンサート、チャペルコンサートをしているそうです。ある年、バイオリン奏者を招いてのコンサートの時、最後アンコールに「情熱大陸」という曲を演奏したそうです。 そこの牧師さん、「どうしてクリスマスのコンサートの最後に『情熱大陸』をやらなきゃいけないんだろう」と、ちょっと不思議な気になり、違う曲の方がいいんじゃないかなって、思ったらしいんです。
あとで知ったそうですが、その日、ある親子がこの礼拝でのコンサートに来たのですが、 間に合わないで、遅れてきたとのことです。娘さんはバイオリンを習っている、そういうお子さんだったのですけれど、せっかく聞きに来たのに、コンサートはもう終わっていました。 献金の時間に来たのです。それで最後1曲、聞くことができるということで、アンコールの曲を聞いたわけなのですが、なんとその演奏した「情熱大陸」を、その女の子は、ほんの少し前、発表会か、練習で演奏していたところだったので、その曲を演奏してくれて、もう大満足というか、大喜びで、親子で喜んで帰って行かれたというのです。
その牧師は、「ああ私は自分で、なんで情熱大陸なのかな」と、思ったわけですが、バイオリニストが 天使に見えたかどうか、分かりませんけれど、何ヶ月も前から、打ち合わせをして、彼が情熱大陸を選曲していたわけです。女の子は、自分もバイオリンを習っているので、コンサートに行きたいと思っていて、しかし、コンサート当日には遅れてしまった。でも、なんと最後に、自分へのプレゼントでは、と思えるようなその曲がとってあって、演奏を聞くことができたのです。
普通に考えたら、いくつもの偶然が重なったのだろう、と思うのでしょうが、私たちは、神様がまさに奇跡を起こしてくださったのだ、と受け取るわけです。そこの牧師は、「鳥肌とまでいかないですけれど、感動しました。」と語るのです。
私たちは、本当に不思議なことだなあ、と思うわけですが、その子は遅れてきたのに、なんと、ぴったりはまって、大喜びで帰っていけるように、すべての状況を神さまが、すでに用意してくださっていたのです。 補足すると、バイオリニストは、あらかじめアンコール曲をいくつか選んで、プログラムに載せていたそうです。そして、コンサートの最後に、どなたかがその中から「情熱大陸」をリクエストして演奏に至ったということです。
天使が人を通して、その曲をリクエストさせ、その前に、演奏者にも天使がその曲を入れるように、思わせた、と考えてもよろしいのではないかと思うのです。
羊飼いたちは、天使から救い主の誕生を告げられました。それは「素晴らしい、喜びの知らせ」でした。 このコンサートの出来事は、天使が「喜びの知らせ」を告げたのではありませんが、一人一人の心に、そうするように、言葉ではなく、そう思うように、働きかけたのではないでしょうか。 私たちクリスチャンは、天使の存在と、その働きを信じています。 神様が、天使を遣わして私たちに語り、私たちを守り、助け、教えてくださるのです。このことを信じるとき、神さまは私たちにも必要であれば、不思議なこと、奇跡と思えるようなことをしてくださるのです。
神様は、私たちに最も必要な、「罪からの救い」を成し遂げてくださるために、クリスマスの夜に、この世にお生まれくださったのです。このクリスマスを心から感謝して迎えたいと思います。
お話を終えますが、みなさんの中に、もしも孤独や病気、あるいはいじめ、辛い思いをしている人がいらっしゃるとしたら、神様は、あなたのことを決して忘れてはいない、なぜなら、あなたを愛しているから、ということを覚えておいて頂きたいのです。
「ああ、頑張っているのに、うまくいかないな、失敗してしまったな」、「ああ、病気になってしまったな」、「ああ、一人ぼっちで寂しいな」という人がいらっしゃるなら、もう一度言いますが、 神様は、そんなあなたのことを愛しているからこそ、忘れてなんかいません、ということを思い出させるために、天使を遣わしてくださったというのが、クリスマスの夜に起こった出来事なんです。
羊飼いというのは、当時の社会からはみ出された、仲間に入れてもらえない、時にはいじめられた、そういう人たちだったのです。 だから野宿していた、まあ、羊を飼っていたからなのですが。
でもそういう彼らに、一番初めに救い主イエスキリストがお生まれくださった、ということが伝えられたのです。
重要な、最高のニュース・情報だったら、誰に最も早くに伝わるのでしょうか。現代社会は情報戦だ、などと言われますが、時の権力者が、情報網を使っていち早く手に入れるのでしょうか。今は、どの国でも情報収集をする国家機関がありますね。
神様は一番素晴らしい情報、グッドニュース、最高の福音を、寂しい、辛い、悲しい思いをしている人たちに、まず、届けてくださったのです!
そのために天使が用られた、というのが、今日みなさんにお伝えしたいメッセージなのです。
みなさん! アドベントに入りました。 私たちも天使になりましょう! ルカ2:10
御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。」
私たちも天使になって、クリスマスのすばらしい喜びを知らせようではありませんか!